イワンのばか

今週のお題「読書の秋」

 

「子どもが眠るまえに読んであげたい365のみじかいお話」という本を、時間がある日は音読している。一ページごとに、昔話とか有名作品とか、ノンフィクションとかが載っている。今日は、「イワンのばか」という話を読んで、話の始まりが面白かったので、青空文庫でちゃんと読んでみた。

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この、三兄弟の紹介が端的すぎておもしろい。

昔話のこういう表現はとても好きだ。

 

で、ちゃんと読んでみた話の内容だけど、とてもおもしろい!!

 

http://aozora.binb.jp/reader/main.html?cid=42941

 

悪魔の設定だったり、親悪魔が自分の思想のためにはけっこう根性あったり、でも昔話的なオチがしっかりついていたり。

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/イワンのばか

1885年に書かれたらしい。帝政ロシア時代という時代らしいが、ロシアには詳しくないので、よくわからない。

 

大筋のストーリーの内容は、共産主義の成功みたいな話である。こういう内容が書かれたこの時代背景が気になったので、あとでよくウィキを読もう。

それにしても、この話は共産主義が成功しているけど、「王も民もばかなので」というような文章が何度も入る。前提として「ばか」でないと、共産主義は成り立たないという皮肉の話なんだろうか。なるほどなあ。あたしもばかなので、イワンの国に住みたいなあ。

 

話の大筋も興味深くておもしろいけど、ディテールもおもしろい。捕まった悪魔が命乞いするとことか、悪魔をわりと冷酷に殺そうとするとことか、悪魔が逃げると、小さな黒い穴が残るところとか。

兵隊は歌うものだと思っていた!という、ばかエピソードとか、金貨はきれいだからいくつかもらったけど、もうけっこうですわ、という村のおばさんとか。このおばさんの様子が、わたしには最近コールセンターのバイトで電話越しに相手をしているおばさんとかぶってさらにおもしろかった。

悪魔がイワンたち兄弟を陥れようとするところが、悪魔の特異な力によってのものでなく、頭を使った策であるところとか。

 

ロシアの物語は大きなかぶくらいしかあんまり知らないかも。あと、話の大筋を知ってるのはカラマーゾフの兄弟くらいかな。国ごとに文学作品をみると、国民性というか、その土地の文化みたいなものがみえて、おもしろい。カラマーゾフの兄弟しかり、兄弟ものが好きなのかなあ…ロシア。そしてみんなあまり仲が良くない…。

 

昔話って、おもしろいですね。